パレートの誤算:柚月裕子
「パレートの誤算」は、NHKのドラマ化もされたということなのできっと面白いのだろうと思い読んでみました。
パレートとは、「パレートの法則」を考えたイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの名前です。
「世の中の出来事は、20%で回っている」という考え方で、例えば、ある会社の売上の80%は20%の顧客が払っている、というような考え方で、80対20の法則ともいわれます。
この小説は生活保護受給の闇をテーマにしています。
舞台はある市役所の社会福祉課で、主人公は新人の女性・牧野聡美。
本人は社会福祉課で生活保護の仕事をする気はなく、配属されてがっかりしています。
生活保護を受給している人たちには、働きもせず努力もせず、支給されるや否やパチンコなどに使ってしまうような人もおり、そういう現実に嫌気を感じながら仕事をする中、ベテランケースワーカーの山川に、やりがいがあることを教えられ、尊敬の気持ちを抱きます。
しかし、ある日、山川は火事に巻き込まれ死んでしまいます。
徐々に判明していく、山川と反社組織とのつながり、牧野は山川の死の真相を知るために仕事を利用して探偵のように調べていきます…という内容です。
最終的に、序盤で疑問点とされた伏線が回収されていくのですが、その回収の仕方がかなり大雑把だったかなというのが残念なポイントです。
例えば山川の腕時計とか。
それでもサスペンスとしてとても面白く、ドラマ化も頷ける内容でした。
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