ソロモンの偽証:宮部みゆき
映画化されてもいるし、前からあるなとは思っていたけれど、3部作(文庫本だと6冊)のため長いからなかなか手を出せずにいた、ソロモンの偽証を読んでみました。
映画も見たことはないのですが、あらすじで学校内裁判をする話らしい、というところまでは知っていました。
しかし、3部作ともなると人物描写やら背景描写が長ったらしく、その描写は必要あったのか?と後で思い返すことになるのではないか、ひいては宮部みゆきという作家を嫌いになってしまうのではないか?という恐れもあり読まずにいたのかもしれません。同様の理由で「模倣犯」も読んでいませんが、宮部みゆきファンはもぐりと思われても仕方ないです。
特に理由はありませんが、次はこれを読んでみるかと思い立ったというのが大きな理由です。
最初に事件(事故?)が発生し、それを取り巻く人間関係が事態を混乱させ、ついには中学生たちが事件解明のために学校内裁判を開くことを決意する、という展開です。
上巻は、事件(事故?)が学校で発生し、犯人探しにメディアも参加して学校が大混乱する、というもの。
中巻は、混乱が沈静化しつつあるさなか、中学生たちが自分たちで真実をみつけることで、この出来事に区切りをつけようと校内裁判を開くことを決意し、準備に奔走する様子が描かれます。
下巻は、校内裁判の行方が描かれます。
話しは確かに長いのですが、冗長なところはなく、読むのが面倒になるような不必要な文章は感じません。
そこはやはり宮部みゆき、とても読みやすいし、ただ人物の背景を描写することにページを費やす、というものではありません。
その描写は全体の流れ上、必要なものであり、「紆余曲折してここに至る」ということが読者の腑に落ちるように描かれています。
私は基本的に通勤の電車の中で本を読むようにしており、そのために1冊を読み終えるのに1~2週間はかかります。
早いときは1週間、長ければ2~3週間といったところです。
やはり宮部みゆきは読みやすく、だいたい5日間通勤の行き帰りで1冊読み終えられるというペースでした。
純粋な思いで動く少年少女たちの行動に、大人たちの汚れた事情が絡みつく、という展開で、基本的には少年探偵団のような展開になっています。
そのため、中高生が読んでも面白いのではないかと思います。
また、焦点となる人物が、周囲のイメージと、実際の振る舞いとでギャップがある、という展開は読み進めていくにつれ、「そっちだったのか」と額を打ってしまいます。
読みごたえもあり、事件解決後に何年もたった後の話も2つ挿入されています。
一つはこの本が完結した後に著者が別のサイドストーリーとして付け加えたもので、主人公の成長が描かれていて、こちらも短編ながら面白いです。
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