すべてがFになる:森博嗣
「すべてがFになる」は、過去に両親殺害を疑われる天才科学者の殺害がどうして起こったのか、を解決していく話です。
テンポよく話が進むため非常に読みやすいと感じました。
違和感があったのは、登場人物のほとんどが死者が出ているということにそこまで感情的にならずに平然とふるまっている感じがするところや、主人公である西之園萌絵は20歳のお嬢様なのに、被害者の身内に話しかけるとみんななんの拘りもなく話をしてくれるところでしょうか。その部分はある意味ご都合主義に感じてしまうところでもありますが、おそらく登場人物はほとんどが学者でしかもエリートであるため、普通の人とは少し違う感覚をもっており、それが現れている、と考えれば納得できます。
また、この本が書かれたのは1998年でようやくインターネットが広まり始めたところ、光回線もない時代です。
それなのに未来のことを予見しているようで、作者の知識量の豊富さをうかがい知れます。
あとがきを読むと、この本は10巻までシリーズ化されており、当初「すべてがFになる」は4巻目の話になる予定だったとのことです。
500ページを超す長編ではありますが、サクサク読み進められるのでお勧めです。
関連記事
64(ロクヨン):横山秀夫
「64(ロクヨン)」は、三上という県警広報官が刑事部や新聞記者たちとの板挟みにあいながら、昭和64年に起こった誘拐殺人事件に絡めた警察内で起こっている動きを追っていく、という物語で、実話がモチーフにな…続きを読む
あんじゅう―三島屋変調百物語事続:宮部みゆき
「あんじゅう―三島屋変調百物語事続」は、三島屋変調百物語シリーズの第2巻です。 主人公おちかが、この世ならざるものの仕業と思われる体験をした人たちから、その不可思議な話を聞く、というストーリーです。 …続きを読む
黒祠の島:小野不由美
黒祠とは、明治時代の祭政一致政策の折に様々な神を統合して再編成しようとした際に、統合を免れて、その地域で独自の宗教となったものを意味します。黒祠=邪教というとらえられ方もします。 そのような独自の宗教…続きを読む
55歳からのハローライフ:村上龍
サスペンス続きだったので、別の話を、と思い手に取ったのが「55歳からのハローライフ」です。 定年を前に仕事を辞めた人、仕事をなくした人たちの、これからどうしようか、という困惑とそこから前向きになる過程…続きを読む
深夜特急:沢木耕太郎
深夜特急は、1986年に発行された旅行エッセイです。 著者の沢木耕太郎は、26歳のときに急に思い立って、アジアを超えてロンドンに向かうという壮大な旅を無計画に行います。 文庫本全6巻にまとめられていま…続きを読む
刑事の子:宮部みゆき
父親が刑事である、八木沢順が、近所に住んでいる怪しげな館にいる老人が人殺しであるという噂を耳にします。 ほどなくして本物の死体の一部が発見され、犯人と思しきものから手紙が届いたことから、事件をみすごせ…続きを読む
パラドックス13:東野圭吾
ある日、地球上に何が起こるかわからない異変が迫ります。 それは13秒間だけ起こる異変で、その間には極力危険なことはしないように、というお達しが警察になされます。 しかし、その13秒間に犯人を追っていた…続きを読む
まっしょうめん!:あさだりん
わたしの息子が剣道をやってみたいということで道場に通い始めました。 といってもいつまで続くかわからないので、まずは竹刀だけ買って習わせています。 竹刀は消耗品のため、特に小学生用などは2000円程度で…続きを読む
ゴーストブック おばけずかん(映画)
映画館で本編を見る前にやっている予告編を見ているときに、このゴーストブックが流れ、実写であることで面白そうだなと思い、子供に薦めて見に行ってみました。 出演に新垣結衣が出ているところも売りなのでしょう…続きを読む
ダイイング・アイ:東野圭吾
交通事故を起こしてから記憶を一部失ってしまった主人公。 やがて自分が事故をしてしまった時のことを調べ始めます。 すると、謎の美女が主人公の前に現れます。 どうやらその美女は自分が事故で殺害してしまった…続きを読む