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季節のない街:山本周五郎

山本周五郎がたまたま目に入ったので、手に取ってみたのが「季節のない街」でした。
ドラマや映画の原作に取り上げられている作家なのできっと面白いのだろうという感じで軽い気持ちで選びました。

内容としては、ある下町の人たちの生活ぶりを描写した短編集です。
そこに住んでいる人たちが貧乏をしていたり身体が不自由であったりするのですが、その中で送っている日常生活を読むことで、まるでそこに自分も住んでいるかのような錯覚に陥ります。
実際、そういう部分が絶賛されているポイントのようですが、私ははっきりとした目的があり、それに向かって話が二転三転しながら突き進んでいき、解決する、というようなわかりやすいストーリー展開が好きであるため、このような明確なオチがなく、日常生活を垣間見る系統の話は面白いとは感じませんでした。
それでも最後まで読み進めることができたのは、著者の文章に無駄がなく、読みやすさや表現が秀逸であることを示しているのだと思います。

山本周五郎といえば、辞退しているものの、数々の賞に選ばれる作家であるため、その内容は好きな人が読めばのめり込めることは間違いないと思います。
単純に私には合わなかった、ということのようです。

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