HOME生活感想むらさきのスカートの女:今村夏子

むらさきのスカートの女:今村夏子

「何も起こらないのに面白いとTikTokで話題沸騰!」という帯に惹かれ、あらすじをチェックすると、主人公がいつも近所でみかける「むらさきのスカートの女」と友達になりたいが故に、自分の職場に就職するように誘導する…という内容でした。
何も起こらないわけではありませんが、なんだか不思議な話です。

150ページ程度の小説で、物語はすべて主人公から見た視点で進んでいきます。
なんだか気になって手に取って、休みの朝起きたときに読み始めて、ゴロゴロしながら3時間程度かかって一気に読みました。

分量も少ないし話もスピーディーに展開していくので、スラスラと読めてしまいます。

自分の職場に誘導した後も、むらさきのスカートの女が職場に徐々に打ち解けていって、最終的に…という展開です。果たして「わたし」は「むらさきのスカートの女」と友達になれるのでしょうか、それとも…?

エッセイのような語り口調でユーモアもありながら、怖さもあり、不思議な話だったなというのが読後の感想です。決してホラーではありませんが、読んでいる途中に何で?と疑問を感じ、怖くなるような、ならないような…。

芥川賞も受賞しているということで、不思議な話を読みたい人にはちょうどいいかもしれません。
気をはらずに一気に読めてしまうのもお薦めできる点です。

関連記事

さまよう刃:東野圭吾

東野圭吾はガリレオシリーズや新参者シリーズなど、テレビや映画化もされた人気作品を多くもつ、言わずと知れた超有名作家なので、もうテレビで見たことあるし、後回しでよいか、などと勝手に思っていて読んでいなか…続きを読む

64(ロクヨン):横山秀夫

「64(ロクヨン)」は、三上という県警広報官が刑事部や新聞記者たちとの板挟みにあいながら、昭和64年に起こった誘拐殺人事件に絡めた警察内で起こっている動きを追っていく、という物語で、実話がモチーフにな…続きを読む

すべてがFになる:森博嗣

「すべてがFになる」は、過去に両親殺害を疑われる天才科学者の殺害がどうして起こったのか、を解決していく話です。 テンポよく話が進むため非常に読みやすいと感じました。 違和感があったのは、登場人物のほと…続きを読む

連続殺人鬼カエル男:中山七里

数年前に動画配信サイトの無料枠で「連続殺人鬼カエル男」というドラマが配信されていました。 そのときに興味がわいたものの、結局見ないでそのままにしてしまいました。 それからしばらくして、その原作が小説と…続きを読む

ゴジラ-1.0(映画)

ゴジラと言えば日本が誇る怪獣映画です。 多くはゴジラが現れて町を破壊するため、どうやって追い払うか、ということをテーマとして描かれるか、もう一匹別のモンスターが現れて、それをゴジラが撃退する、という話…続きを読む

砂の女:安部公房

昆虫好きの主人公が、昆虫採集のために砂丘にいったところ、砂丘にあいている砂の穴の底に連れていかれ、そこから脱出できなくなってしまう、という不思議な話です。 砂に囲われた盆地、というよりはほぼ穴という感…続きを読む

深夜特急:沢木耕太郎

深夜特急は、1986年に発行された旅行エッセイです。 著者の沢木耕太郎は、26歳のときに急に思い立って、アジアを超えてロンドンに向かうという壮大な旅を無計画に行います。 文庫本全6巻にまとめられていま…続きを読む

さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!:さかなクン

映画「さかなのこ」を見たので、今度は原作を読んでみました。 さかなクンの半生を綴った自伝です。 こちらがほぼ実話だとするならば、映画はかなりフィクションが入っていました。映画の場合には、明らかにフィク…続きを読む

つけびの村:高橋ユキ

2013年に山口県周南市で発生した、山口連続放火殺人事件の真相を知るべく取材した内容をルポとしてまとめたものです。著者は、裁判の傍聴マニアで、それが高じてルポを書くようになり、フリーライターとして活動…続きを読む

DC がんばれ!スーパーペット(映画)

「DC がんばれ!スーパーペット」は、ワーナーブラザーズのCGアニメ映画です。 この映画も、他の映画を見ているときに流れた広告を見て、子供が「今度はこれを見たい」といったのがきっかけで、ある暇な休日の…続きを読む