HOME生活感想ひとり旅日和:秋川滝美

ひとり旅日和:秋川滝美

主人公の日和(ひより)は、24歳のOLです。性格は内気で人と会話するのが苦手、要領もよくありません。だから会社でも上司に怒られてばかり。

そんなある日、自分を採用してくれた社長から旅を薦められます。
本屋でガイドブックを物色していると、会社の先輩に出会い、薦められたガイドブックを購入し、まずは近場で日帰り旅を実践します。
それから徐々に距離を伸ばし1泊2日の旅を計画し、気づけば自信がついたのか、仕事でもあまり怒られなくなっていく…というストーリーです。

もちろん会社でのいざこざはサイドストーリーに過ぎず、本編は旅先での出来事です。旅の醍醐味といえば、観光地巡りと食事。
特にこの2点についての描写がされています。特に食事でしょうか。
おいしそうだなと感じたり、お土産を選ぶのも楽しそうだなと思えます。
一人旅にはあまり興味がないのですが、一人旅もいいものだなと思わせてくれるものがありました。

本書で少し気になったのは言い回しの部分です。
ところどころこの表現はなじまないと思われるところがあり、細かいことではあるものの気になってしまいました。
例えば、よいことがあったのに「~のせい」と表現するところは、ネガティブに読めてしまうので、「~のおかげ」とした方がよいのではないかと感じたり、そのほかにもちょっと口語体すぎるのではないかと思ったりする部分がありました。「~すぎる。」という言葉の多用にも違和感を覚えました。
20代の女性が主人公なので、その年代風の言い回しにしているのだと思います。ただ自分がそれを許容できない年齢になったのかなと感じる本でした。

関連記事

ブレイブ・ストーリー上中下:宮部みゆき

小学生低学年から中学年にかけての子どもに、本を読んでほしいと願う家庭で起こる問題の一つが、「かいけつゾロリから抜け出せない問題」だそうです。 いかにゾロリが偉大であるかの裏付けでもあるこの問題、本を自…続きを読む

砂の城:荻原浩

会社を解雇され、離婚をし、家もなくなった男が行き着いた先はホームレス。 彼は、公園で寝泊まりするようになりますが、そのうちに、公園の隅でいつも占いをしている男に話しかけるようになり、占いの客引きを始め…続きを読む

深夜特急:沢木耕太郎

深夜特急は、1986年に発行された旅行エッセイです。 著者の沢木耕太郎は、26歳のときに急に思い立って、アジアを超えてロンドンに向かうという壮大な旅を無計画に行います。 文庫本全6巻にまとめられていま…続きを読む

半落ち:横山秀夫

横山秀夫という作家の本はこれで2冊目です。 ここまで読んだ感想としては、この人の本はとても読みやすいということです。 一番最初にナゾとされている問題提起があり、そのオチに向かって突き進んでいくスタイル…続きを読む

オイアウエ漂流記:荻原浩

荻原浩の書いた「砂の城」が読みやすくて面白かったので、他の本も興味を持って読んでみたのが、オイアウエ漂流記です。 この本は、日本人+1名の外国人たちを乗せたトンガ行の飛行機が墜落して、無人島に流れ着き…続きを読む

黒祠の島:小野不由美

黒祠とは、明治時代の祭政一致政策の折に様々な神を統合して再編成しようとした際に、統合を免れて、その地域で独自の宗教となったものを意味します。黒祠=邪教というとらえられ方もします。 そのような独自の宗教…続きを読む

殺人鬼フジコの衝動:真梨幸子

サスペンス物を読むのが楽しくなってたどり着いてしまった一冊、それが「殺人鬼フジコの衝動」でした。 この本、だいぶ胸糞悪くなる描写が多いです。 とにかくフジコの生い立ちが酷いし、学校でのいじめも酷いです…続きを読む

ソロモンの偽証:宮部みゆき

映画化されてもいるし、前からあるなとは思っていたけれど、3部作(文庫本だと6冊)のため長いからなかなか手を出せずにいた、ソロモンの偽証を読んでみました。 映画も見たことはないのですが、あらすじで学校内…続きを読む

すべてがFになる:森博嗣

「すべてがFになる」は、過去に両親殺害を疑われる天才科学者の殺害がどうして起こったのか、を解決していく話です。 テンポよく話が進むため非常に読みやすいと感じました。 違和感があったのは、登場人物のほと…続きを読む

母性:湊かなえ

「母性」というタイトルの映画が上映されるということを以前に知り、それ以来、原作の母性を読んでみようと思っていました。 話は、自分の母親のことが大好きで、いつまでも子供として母親にかわいがられていたいと…続きを読む