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Windows11マシンを自作する

Windows11のハイスペックマシンを自作したので記録します。
このマシンはStable Diffusionを動作させるためにつくりました。

パーツ

部品 メーカー 型番 価格
ケース Cooler Master MasterBox Q500L改良モデル
MCB-Q500L-KANN-S01
\8,930
マザーボード ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSM \33,200
CPU Intel Core i7 13700F BOX \59,430
メモリ crucial CT32G4DFD832A
[DDR4 PC4-25600 32GB]
\8,600
SSD WESTERN DIGITAL WD_Black SN770
NVMe WDS200T3X0E
\17,562
SSDヒートシンク 長尾製作所 SS-M2S-HS02
[M.2 SSD用ヒートシンクカバー]
\1,500
電源 Cooler Master V SFX Gold 850W
MPY-8501-SFHAGV-JP
\20,182
CPUクーラー Thermaltake CL-W319-PL12RG-A
[簡易水冷クーラー TOUGHLIQUID 240
ARGB Sync -Racing Green-]
\14,420
OS Microsoft Windows11Pro日本語版パッケージ版 \18,980
無線LANカード OKN WiFi 6E PCIe 無線LANカード
AX5400 内蔵Intel AX210NGW
\3,184
グラフィックボード GIGABYTE NVIDIA GeForce RTX4070Ti
GDDR6X 12GB
GV-N407TEAGLE OC-12GD R2.0
\132,263
グリス ARCTIC MX-4 \990

合計:\318,251

合計を見ると、ここまでしなければ使えないならStable Diffusionを諦めるという考え方もあったのですが、どうしても試してみたくて買ってしまいました。

PCケース

PCケースのMasterBox Q500Lは、通常サイズ(ATX)のマザーボードが収まる小型ケースで、MicroATXにも対応しているというところで購入しました。
今回はなるべく小ぢんまりと作りたいと考えていました。

マザーボード

PRIME Z790M-PLUS D4-CSMは安定のASUS製ということと、MicroATXということに加え、Stable Diffusionを動かすのに必要なCPUとして、第13世代Core i7を載せるため、Socket LGA1700に対応しているものを選びました。
本来は、メモリの規格はDDR5にしたかったのですが、価格帯やサイズでDDR5はまだ多く出回っておらず、DDR4が主流だったので、やむなくDDR4でなっとくしました。

CPU

Intel Core i7 13700F BOXを選びました。Stable Diffusionの動作にある程度のスペックが必要とのことでこれにしました。
Core i7 13700は内蔵GPU搭載ですが、13700FはGPUを搭載していません。
今回は別途グラフィックボードを購入するので、GPUなしの13700Fにしました。

メモリ

crucialはあまり信頼できないのではないかと思っていましたが、Micron社のブランドとして20年ほどの実績があるということと、値段的に手ごろだったというところで、選びました。
今回は32GBを1つだけにしましたが、動作によってはもう一つ追加しようかと思っています。

SSD

ストレージはSSDしか考えていませんでした。とにかく小型ということでM.2(2280)を選択しましたが、購入後に、M.2型のSSDは熱を持ちやすいのでヒートシンクが必須ということを知り、2.5インチ型にしておけばよかったと思いました(2.5インチ型は発熱問題はあまり取りざたされない)。

SSDヒートシンク

M.2型SSDにはヒートシンクが必須という情報を得てから購入しました。
マザーボードに挿せて、ケース内に収まるのであればなんでもよい、という感じでした。

電源

電源容量は850Wにしました。CPUとGPUが電源を喰うので、大目にとっておいた方がよい、という情報によります。
また、SFXにした理由は、ケース内に収めやすいか否か、という点です。
ATXのサイズでもケースには収まりますが、やはり取り回しがきつくなるということだったので、価格は高くなるものの、SFXにしました。
SFXにしたことで組み立てるときは楽でした。
隙間ができるので、エアフロ―的にもよいと思います。

CPUクーラー

CPUがCore i7 13700にもなると相当な発熱量なので、空冷では冷ませない、という情報から、水冷を検討しました。
ただ、ゴリゴリの水冷は、ポンプや液体の注入などもしなければならず、万一水漏れをしてしまったら壊れる危険性まであるので、手を出すのはやめ、簡易水冷のクーラーにしました。
簡易水冷の場合には、ポンプなどがすべてオールインワンでセットされた状態で販売されているので、あとはケースに設置するだけになります。

OS

Windows11Professionalにしました。
Homeでもよかったのですが、リモートデスクトップが使えないということでProfessionalにしました。
しかし、Chromeリモートデスクトップを使えばHomeでもアクセスできるらしいので、あえてProfessionalにする必要はなかったかもしれません。
購入は、偽物やライセンスの怪しいものを取り扱っている販売者を避けるため、Amazonや楽天は避けました(他のパーツはAmazon等でもよいのですが、高額なソフトウェア特にMicrosoft系は怪しいものが結構あります)。
信頼できる店は、ヨドバシなど、単一の販売者でかつ実績のある店です。
今回はNTT-X Storeにしました。

無線LANカード

PRIME Z790M-PLUS D4-CSMには無線LANが内蔵されていないため、別途用意しました。
USBの無線LANアダプタという手もありますが、速度が遅くなりそうだったので、内蔵カードにしました。

グラフィックボード

Stable Diffusionを動かすには、最低でもGeforce RTX 3060は必要のようですが、3060の場合にはVRAMが少ないため、それなりの速度しか出ないことに加え、Stable Diffusionの機能のすべてを使うことができない、ということだったので、VRAMが12GBある4070Tiにしました。
購入当時は13万を超えましたが、2~3ヶ月で1万円以上、下がったのには驚きました…。

グリス

CPUとCPUクーラーの間に塗ります。
CPUを買えば、中に付属のグリスが入っていますが、性能は低いということで、あえてグリスを別途購入しました。
今回は熱対策はかなり肝になるということでの別途購入です。
このグリスには4g入っていますが、実際には少ししか使わず、ほとんど余ります。
蓋もできるようですが、乾いてしまうかもしれず、もう一度使うことはないような気がします。

購入時は、基本的には価格コムで調べて、購入手続きが面倒でない店(クレジットカード対応など)であるか、在庫管理をきちんとしているか、配送までにどのくらいかかるか、配送費はかからないか、というようなことを観点に店を選びました。
また、ポイントがついて結果的に安くなる、という場合にはヨドバシカメラなどで購入しました。ヨドバシカメラはポイントも1割就くことが多く、配達も早いのでオススメです。

組み立て

組み立ては、マザーボードの箱に入っている説明書を見ながら、それぞれのパーツを組み立てていきます。
ASUSのサイトからマニュアルをダウンロードしてもよいです。
プラスドライバーは必須です。

難しいことはあまりないのですが、慎重に丁寧にやる必要はあります。
また、最初は手袋をつけて作業していましたが、かなり細かい作業になるので、あまりよくないことですが、途中からは手袋を外してしまいました。
組み立ては取り付けやすい順序があります。
大体やってみればわかりますが、私の場合は最初にマザーボードにCPUをセットして、それからマザーボードをケースに取り付けます。
その後、メモリ、SSDをとりつけます。
細かいもの、下に配置するものから取り付けていきます。
CPUクーラーやグラフィックボード(GPU)などは後回しです。
ファンのコネクタはマザーボード上ではかなり小さいので、後回しにすると見えなくなってしまうことがあるので、先に取り付けた方がよいでしょう。
CPUを取り付けるときは、CPUのピンを曲げないように、角をもってそっと設置します。

不具合と不具合解消

1.電源が入らない

電源スイッチを押しても起動しません。
電源スイッチ部分のランプは光るようなので、フロントI/Oの配線は間違っていないようです。

調べてみると、Core i7 13700は、補助電源を取らないといけないということがわかりました。
電源にはCPUのメイン電源のほか、補助電源につなげるためのケーブルも付属していたので、それを使い、マザーボードの補助電源用のコネクタにつなげてスイッチを押したところ、無事起動するようになりました。

2.電源が入っても落ちてしまう

これは熱暴走が原因でした。
電源を入れるとマザーボードの起動画面であるASUSのロゴは表示されるのですが、Windowsが起動する前に落ちてしまう、というのをくり返しました。
そこで、Windowsが起動する前にBIOSの設定画面に入ってみたところ、温度が88℃になっていることがわかりました。
起動しただけで88℃というのはおかしいので、CPUクーラーが機能していないのだろうと見当をつけてケースを開けます。

CPUクーラーの電源をとるためのケーブルと、マザーボードの電源供給用のピンの数が違うことが原因でした。
マザーボードのピンは4つあるにも関わらず、CPUクーラーの電源コネクタは3つしかありませんでした。
この4つのピンのうち、どちらかの一番端のピンには接続せずにつけることでCPUクーラーが機能するようになりました。
最初はつけ方を間違えていたのでクーラーが機能していなかったようです。
これも細かい部分なので気づきにくいですが、調べてみると4ピンに3ピンをつなげる場合のコネクタの向きなどもマニュアルに載っています。

以上で、Windows11が起動するようになりました。
最初はモニタがなかったので、液晶テレビにHDMIケーブルでつなげて操作していましたが、不便なのでモバイルモニタを別途購入しました。

ASUS モバイルモニター 15.6インチ 60Hz モバイルディスプレイ Switch対応 IPS フルHD USB Type C HDMI MB16AH-J
\23,832

普通のモニタであれば21.5インチで2万円以下のものが買えるので、置く場所に困っていなければ通常の液晶モニタを買った方がよいです。
私の場合は置く場所がなかったので、モバイルモニタをあえて購入しました。

その後、Stable Diffusionも無事導入して使えるようになりました。
その記事は後日まとめます。

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