ファスナー付きインナーポケットの作り方
ポケットのついたカバンなどを作る場合に、外側にポケットが見えず、ファスナーのみが見える、インナーポケットにする方法です。
この方法は若干回りくどいですが、ファスナーの角を確実に保護します。
用意するもの
16cmのファスナーを使った場合を想定します。
・ガード用の布(薄地):ファスナーより一回り大きいサイズにする(下の写真参照)
・ファスナー:16cm
・ポケット用の布(2枚):20cm × 13cmが1枚、20cm × 11cmが1枚
※このほかに本体(インナーポケットを付けるため)の布地が別途あるものとします。
↑ ファスナーとガード用の布(補強布)のサイズ感
↑ ポケット布20cm x 13cm
↑ ポケット布20cm x 11cm
インナーポケットのつけ方
1.本体の布地にファスナーを付ける位置を決める
ファスナーを付けたい布地の表側にファスナーを付ける位置を決めます。
まず、ガード用の布をファスナーを付けたい部分に置きます。
ガード用の布はファスナーを縫い付ける部分の補強に使うもので、薄い布で十分です。
今回はサテン生地の布(白)にしました。
ほかにも、いらなくなったワイシャツをとっておいて、それを切って使うこともあります。
↑ 端の始末はジグザグミシンでしました。
2.ガード用の布に印をつける
ガード用の布を本体の布に重ねて、まち針で止めます。
ファスナーをガード用の布の上に置き、鉛筆などでファスナーの位置を決めます。
まず、ファスナーの始めと終わりの部分を鉛筆でしるしをつけて、その間を定規で線を引きます。
この線がファスナーの中央のラインになります。
次に、その中央のラインから、上下0.5mm~0.7mmずつのところに平行に線を引きます。
さらに両端に縦の線を引き、長方形を描きます。
中央の線の両端から10mm~15mmのところに印をつけて、上下の角と結び、三角形になるように線を引きます。
外枠の鉛筆の線に沿ってガード用の布を本体の布にミシンで縫い付けます。
3.ファスナー用の穴をあける
写真の赤い線で引いたところをハサミで切ります。
切り方としては、まずファスナーの中央の線で半分に折り、両端の三角形の中央の部分から外側へちょっとだけ切り込みを入れます。
布を開き、切込みが入った部分からハサミを入れて、切っていきます。
4.アイロンをかけて癖をつける
次はこの切込みの向こう側にガード用の布を入れ込みます。
しかし、そのままやろうとするときれいに向こう側に出ないので、最初にアイロンをかけて癖をつけます。
ミシンで縫った口の部分まで、ガード用の布の上下左右を下りながら、それぞれアイロンをかけていきます。
↑ 下側を折ってアイロンをかけたところ
↑ 全部にアイロンをかけるとこのように癖がつきます。
5.ガード用の布を切込みから向こう側に入れ込む
布の表に出ているガード用の布を、ファスナー用の切り込み口から向こう側に押し込みます。
↑ 布を押し込んでいるところ
↑ きれいに向こう側に押し込むとこのように長方形の穴が開きます
↑ 裏側から見るとこうなります
ここでもう一度アイロンをかけておくとしっかりと癖がつきます。
6.ファスナーにポケット布を縫い付ける
ファスナーにポケット用の布を縫い付けていきます。
まずは短い方の布(20cm x 11cm)を下の写真のようにまち針で止めます。
↑ ファスナーは表向き
まち針にそって片側を縫います。
このファスナーを上方向に縫い目を軸にして裏返しにすると下のようになります。
この状態で表に返すと以下のようになります。
この状態のまま、今度は反対側のファスナーの下にポケット布(長い方)を敷いてまち針で止めます。
↑ 重なっているのでわかりにくいですが、裏側にポケット布がもう1枚あります
↑ めくってみるとこんな感じです
↑ 縫っているところ。ファスナー押さえを使うと便利です。このときは押さえを換えるのが面倒だったので、そのまま縫っています。
上の写真のように、ファスナー押さえを使わずにそのままファスナーを縫う場合は、ファスナーの持ち手の部分が近づくと、まっすぐに縫えなくなるので、ファスナーの持ち手が近づいてきたら、いったん縫うのを止めて、針を布に突き刺したまま、押さえを上げて、布を90度回転させた状態でファスナーの持ち手を動かします。
動かしたあと、また元の位置に布を戻して、縫い進めます。
↑ 反対側の布もファスナーに縫い付けました
↑ ファスナーを表にして布を開くとこの状態
↑ ファスナーを裏返しにするとこの状態になります
インナーポケットは、外側を目にすることはないので、ミシンの縫い目は、ファスナーを開けたときに内側に見えないようになっているときれいです。
7.ファスナーとポケット布を、ファスナー用の口を開けた布に縫い付ける
長方形に開けた穴からファスナーが出るようにまち針で止めて、ファスナーの周囲を縫います。
このとき、ポケットの布は下の写真のように開いておきます。
(閉じて縫ってしまうとポケットも一緒に縫い付けられてしまい開かないポケットになってしまいます)
↑ 四角く周囲を縫う際にはファスナーの金属部分に当たるとまっすぐ縫えないので注意してください
↑ 裏から見るとこんな感じ
↑ ちょっと拡大。ファスナーの周囲に縫い目があります
↑ 表に返してファスナーを開けてみました
8.ポケット布だけを縫う
裏返してポケット布を重ねます。
きれいに重なったら表に返して、ポケット以外の布を折り曲げます。
この状態で下のポケットの布だけを縫い合わせていきます。
↑ まずポケットの左側を縫っています
↑ 次にポケットの底の部分を縫っています
↑ 最後に反対側のサイドを縫っていきます
完成です!
完成です。
ガード用の布を一枚介すことで、ファスナー部分の布が補強されます。
先にファスナーにポケット用の布を縫い付けず、本体にファスナーを付ける際に、同時にポケット用の布も縫ってしまうほうがきれいに仕上がりますが、難易度が高くなるので、先にファスナーに縫い付けました。
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