レッツノートCF-SX2BのHDDをSSDに換装する
巷で流行っている、ノートPCのHDDをSSDに換装して高速化する、というものを今回やってみました。
わたしが使っている機種はレッツノートCF-SX2Bで、6年前に購入したものです。
Windows 7モデルですが、Windows 10に無償アップグレードができる期間にWindows 10にアップグレードしています(そもそもこの機種はWindows 10には非対応なのですが、ドライバ等問題ありませんでした)。
起動に時間がかかり、時にはCtrl + Alt + Deleteをログイン画面で押さないと、ログイン表示にならない時があるといったことは何度かありました。
実は使用に関しては、遅すぎるといった不満はなかったのですが、SSDの価格が下がってきていることもあり、興味本位でストレージの容量を上げるついでにSSDに換装することにしました。
SSDに換装する前の準備
1.SSDの購入
まずSSDを購入します。
HDDの容量と同等か大きいサイズのものを選びます。
また、SSDの接続方式にはSATAとM.2の2種類ありますが、HDDの接続方法と同じものを選びます。
今回はSATA接続のものを買いました。
SSDは、耐久性が決まっており、HDDよりも明確に「何TB書き込んだら買替時」というものがメーカーの公称値としてオープンにされています。
TBW(Total Byte Written)という値で、「総書き込み容量」といいます。
「TBWを使い果たすとSSDには記憶能力がなくなり、データが消失する」と言われています。
(実際にはTBWを超えても使える、といった情報もあります)
この値は、大体1日何GB書き込むと何年で限界を迎える、といったこともメーカーのサイトで公表されていることがあるので、ある程度SSDを選定したら、メーカーのサイトで確認しましょう。
また、SSDには書き込み方式がSLC、MLC、TLC、QLCというように4種類あります。
この書き込み方式によっても耐久性が変わってきます。
耐久性:SLC > MLC > TLC > QLC
価格:SLC > MLC > TLC > QLC
というようになっており、SLCは一般的にはあまり売られていません。
TLCもしくはQLCが低価格帯のSSDとして一般的に販売されています。
MLCも一般に販売されていますが、高価なので手を出しづらいと思います。
※TLCのことを「3bit MLC」、QLCのことを「4bit MLC」と表記するメーカーもあるので、間違えないようにしましょう。
また、SSDのサイズには7mmと9.5mmの2種類があります。
一般的なノートPCに使われているHDDは7mmの高さなので、よほど特殊なモデルでない限り通常は7mmのモデルを買います。
7mmのモデルには大抵9.5mmにするためのスペーサーがついています(ついていないものもあります)。
今回は様々なネットの情報を調べて、比較的評判の高いSANDISKの2TB SSDを購入しました。
SANDISK ウルトラ 3D SSD SDSSDH3-2T00-J25(税込35868円)
2.工具の準備
レッツノートCF-SX2BのHDDをとりはずす際に、一か所だけですがかなり小さいネジで止まっている部分があります。
それをはずすために小さめのネジに対応したプラスドライバーが必要になります。
3.HDDのフォーマット確認
HDDがMBR(マスターブートレコード)であるか、GPT(GUIDパーティションテーブル)であるか先に調べておきましょう。
MBRは2TBまで認識できる旧式のディスクパーティション方式です。4つまでのパーティションを許可しています。
GPTは2TBよりも大きい容量を認識し、最大128個のパーティションをサポートします。
複数のネットの情報により、MBRのHDDをGPTのSSDに換装すると起動しない、という情報がありました。
実際にはその方法を試していないので本当に起動しなくなるのかはわかりませんが、自分のPCのフォーマットを調べたところ、MBRであったため、SSDもMBRでフォーマットしました。
さて、HDDのフォーマットを調べる簡単な方法は、以下のとおりです。
(1) 画面左下ウィンドウアイコンを右クリック→[ディスクの管理]をクリック
(2) [ディスク 0] の上で右クリックし、メニューに、
・「GPTディスクに変換」と表示されていればMBR
・「MBRディスクに変換」と表示されていればGPT
ということになります。
4.BIOSの起動方法の確認
SSDを起動ディスクに指定しておかないと、HDDと交換した後に認識されないことがあります。
そのため、予めBIOSの起動方法を確認しておきましょう。
多くの場合、起動時にF2もしくはDeleteを押しっぱなしにすることでBIOSが起動します。
※今回はBIOSで起動ディスクを設定する必要がなかったため、手順は省いています。
5.クローンソフト
SSDに換装するためには、元のHDDの内容をまるごとSSDにコピーする必要があります。
それを行うのがクローンソフトです。
市販されているものもありますが、今回はフリーソフトの、
「EaseUS Todo Backup Free 11.5」を使いました。
6.USB接続用SATAコネクタ
SATA接続のストレージをUSB接続に変換するためのコネクタです。
USB給電のみだと、SSDが認識されないことがあるので、別途電源から給電されるものを選んでください。
SSDに換装する手順
1.SSDをフォーマットする
USB接続用SATAコネクタに、SSDを接続して、パソコンにつなぎます。
Windowsアイコンを右クリック→「ディスクの管理」で接続したSSDをMBRまたはGPTにフォーマットします。
今回はもとのHDDがMBRだったのでSSDもMBRにしました。
2.クローンソフトをインストールする
「EaseUS Todo Backup Free 11.5」をダウンロードしてインストールします。
(https://jp.easeus.com/backup-software/free.html)
ダウンロードした「tb_free.exe」をダブルクリックして、言語は「日本語」を選んでインストールします。
「目的にあった製品をお選びください」の画面では、無料版を使うのでそのまま「次へ」をクリックします。
あとはセットアップが終わるまで、画面の指示にしたがい、特に変更もせずに進めます。
3.SSDにHDDをクローンする
「EaseUS Todo Backup Free」を起動します。
「ライセンス認証」では、ライセンスコードを入力せず、「後で」をクリックします。
左側のハンバーガーメニューをクリックすると、メニューが文字で表示されます。
その中から、「クローン」をクリックします。
「ディスク/パーティションクローン」(ソース)画面では、まずコピー元のディスクを選びます。
「ハードディスク 0」となっている部分の左上の「□」にチェックを入れます。
「次へ」をクリックします。
「ディスク/パーティションクローン」(ターゲット)画面になります。
今度はコピーをするSSDのドライブを選びます。
このとき「高度なオプション」をクリックして、「SSDに最適化」にチェックを入れます。
今回はHDDが1TBに対し、SSDは2TBなので、約1TBの空きが生じますが、別のパーティションにせずに同じCドライブにします。
SSDはUSB接続しているので、Aドライブなど、Cではない名称になっていますが気にせずに続けます。
4.HDDとSSDを交換する
レッツノートCF-SX2Bのバッテリーをはずします。
バッテリーをはずすと、その奥に小さい黒いネジで金属板が止まっているのが見えます。
この小さい黒いネジをはずし、金属板を左側にスライドするとはずれます。
金属板をはずすと、HDDをはずすためのベロがみえます。
これをドライバーやヘラなどを差し込み、軽く外にだしてやります。
その後、手で引っ張るとSATA接続されたHDDが出てきます。
SATA接続コネクタも一緒に出てきますので、引っ張り出しすぎないようにして、ある程度出てきたらSATAコネクタからHDDをはずします。
反対の手順でSSDをSATAコネクタに接続し、HDDについていたベロをSSDにつけなおし、PC本体に押し入れます。
金属板を付けなおしてネジを締めます。
5.起動の確認
バッテリーを付けて、起動させます。
Windows 10が起動したら成功です。
もしこの時点でWindowsが起動せずに黒い画面のままであれば、BIOSを起動して、1stディスクにSSDを指定してください。
6.回復パーティションの確認
SSDに換装してよく見られる不具合が、回復パーティションが使用不可になっている、というものです。
わたしの場合は上記のクローンをつくった時点で回復パーティションも使用可になっていたので、以下の手順は実行していませんが、今後の備忘録を兼ねて記録を残しておきます。
画面左下ウィンドウアイコンを右クリックし、コマンドプロンプト(管理者)を実行します。
「reagentc /info」
と入力してEnterします。
ここで、「Windows REの状態」が「Enable」になっていれば、回復パーティションも使用可能です。これで換装は終了になります。
もし「Windows REの状態」が「Disable」になっていれば、回復パーティションが使用不可になっています。
「reagentc /enable」
と入力してEnterします。
その後、再び「reagentc /info」で、「Enable」になっていることを確認します。
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