WordPressをローカル環境にインストールする
「外部に公開するつもりはないけれど、WordPressで自分用にコンピュータ内にブログをつくりたい」「WordPressで外部に公開する前にローカルで試したい」というような欲求のために、WordPressをローカル環境にインストールする方法を調べました。
今回は、以下のソフトをインストールします。
- Apache 2.4.18 (Win64) OpenSSL/1.0.2e
- PHP 5.5.31
- Perl 5.22.1
- phpMyAdmin 4.5.3.1
- MySQL 5.7.10
- WordPress 4.4.1
※各ソフトのバージョンは変わりますが、それぞれ、Apacheならば2.4系、PHPならば5.5系、Perlは5系、MySQLは5.7系を使います。
※今回は64Bit版OSでの使用を考えており、64bit用のものがあればそれを選んでいます。32bit版OSの場合は32bit用のものを選びます。
Apacheのインストール
ウェブサーバとして、Apacheをインストールします。
Apacheは既にWindows版のバイナリを本家サイトでは開発しなくなりましたが、The Apache Hausで配布しています。
「Downloads」→「Apache 2.4 VC11」をクリックします。
「Apache 2.4.x VC11」以下にある、「Apache 2.4.18 x64」の項目から、「Download Locations」のアイコンをクリックします。
自動的にダウンロードが始まります。
ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
「httpd-2.4.18-x64-vc11」というフォルダが生成されます。そのフォルダを開くと、中には「Apache24」というフォルダがあります。
このフォルダをまるごとcドライブ直下に移動します。
Apache 2.4の設定
c:\Apache24\conf\httpd.conf
をテキストエディタで開きます。
Define SRVROOT “/Apache24”
c:\直下に置いたときはこのままで構いません。そうでない場合は、Apache24を配置したフォルダまでのパスを適宜変更してください。今回は変更しません。
上記の行のすぐ下に、以下の一文を書きます。
Define WEBROOT “x:/xxx/xxx/”
「x:/xxx/xxx」の部分は、ブラウザでhttp://localhost/を参照したときに見に行くフォルダまでのパスを指定します。
Listen 80
適宜80を別のポート番号に変更します。今回はそのままにしておきます。
ServerName localhost:80
http://xxx/xxx/と入力したときに参照する名前を入力。通常はlocalhostで構いません。80はListenで変更した場合は合わせます。
DocumentRoot “${SRVROOT}/htdocs”
<Directory “${SRVROOT}/htdocs”>
上の文は、http://localhost/で参照するフォルダを設定しています。先ほど設定したWEBROOTに変更します。以下のようになります。
DocumentRoot “${WEBROOT}”
<Directory “${WEBROOT}”>
AllowOverride
の文を次のように追加します。
AllowOverride All
Options Indexes FollowSymLinks
Indexesがあると、http://localhost/とアクセスしたときに、そのフォルダの構成が表示されます(フォルダやファイル)。ローカルでは表示されても問題ありませんが、表示させたくない場合には取ります。以下のようになります。
Options FollowSymLinks
また、cgiを使う場合は、ExecCGIを末尾に加え、以下のようにします。
Options FollowSymLinks ExecCGI
DirectoryIndex index.html
http//localhost/でアクセスしたときにファイル指定がないときに見に行くファイル名です。以下のように追加します。
DirectoryIndex index.htm index.html index.php index.cgi index.shtml index.pl
ScriptAlias /cgi-bin/ “${SRVROOT}/cgi-bin/”
cgiを格納するフォルダです。ドキュメントルートに変更しておきます。以下のようになります。
ScriptAlias /cgi-bin/ “${WEBROOT}”
<Directory “${SRVROOT}/cgi-bin”>
上記の場合はcgiが動作するフォルダはcgi-binのみになります。どこに設置しても動作できるようにするには、/cgi-binを取ります。以下のようになります。
<Directory “${WEBROOT}”>
AddType application/x-compress .Z
AddType application/x-gzip .gz .tgz
この後に、phpのための以下の2行を追加します。
AddType application/x-httpd-php .php
Addtype application/x-httpd-php-source .phps
#AddHandler cgi-script .cgi .pl
#のコメントアウトを取り、有効にします。以下のようになります。
AddHandler cgi-script .cgi .pl
#EnableMMAP off
#EnableSendfile on
#をとり、両方ともoffにします。以下のようになります。
EnableMMAP off
EnableSendfile off
#AcceptFilter http none
#AcceptFilter https none
#をとります。以下のようになります。
AcceptFilter http none
AcceptFilter https none
以上でApacheの設定は終わりました。
Apacheを自動起動する
ApacheをWindowsのサービスに登録しないと、コンピュータ起動時に自動的に立ち上がってくれません。以下のように設定します。
「c:\Apache24\bin\ApacheMonitor.exe」のショートカットをスタートアップに登録します。
コマンドプロンプトを管理者として実行し、
c:\Apache24\bin\httpd -k install
と入力すると、サービスに登録され、次回からは自動的にApacheが起動するようになります。。
PHPのインストール
http://php.net/にアクセスします。
「Downloads」→「Windows downloads」をクリックします。
VC11 x64 Thread SafeのZipをクリックしてダウンロードします(64bit版OSの場合)。
ダウンロードした「php-5.5.31-Win32-VC11-x64.zip」を解凍します。
「php-5.5.31-Win32-VC11-x64」というフォルダができるので、「PHP5.5」にリネームしてフォルダごとc:\直下に移動します。
PHPの設定
c:\PHP5.5\php.ini-developmentをコピーして同じ場所に貼り付け、「php.ini」にリネームしてテキストエディタで開きます。
;include_path = “.;c:\php\includes”
;(コメントアウト)を削除しphpのインストールフォルダに変更します。以下のようになります。
include_path = “.;c:\PHP5.5\includes”
doc_root = “x:\xxx\xxx”
ドキュメントルートを指定します。apacheと同じドキュメントルートにします。
; extension_dir = “ext”
;を削除してフォルダ名を変更します。以下のようになります。
extension_dir = “c:\PHP5.5\ext”
;extension=php_mbstring.dll
;を削除します。以下のようになります。
extension=php_mbstring.dll
;extension=php_mysql.dll
;extension=php_mysqli.dll
;extension=php_pdo_mysql.dll
;を削除します。以下のようになります。
extension=php_mysql.dll
extension=php_mysqli.dll
extension=php_pdo_mysql.dll
;date.timezone =
日本時間を設定します。;を削除します。以下のようになります。
date.timezone = Asia/Tokyo
;mbstring.language = Japanese
;mbstring.internal_encoding = UTF-8
;mbstring.http_input = UTF-8
;mbstring.http_output = pass
;mbstring.encoding_translation = Off
;mbstring.detect_order = auto
;mbstring.substitute_character = none
;を削除し、一部変更します。以下のようになります。
mbstring.language = Japanese
mbstring.internal_encoding = UTF-8
mbstring.http_input = pass
mbstring.http_output = pass
mbstring.encoding_translation = On
mbstring.detect_order = UTF-8,SJIS,EUC-JP,JIS,ASCII
mbstring.substitute_character = none
PHPを環境変数に追加する
コントロールパネル→「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの詳細設定」→「詳細設定タブ」→「環境変数」→「システム環境変数」→「Path」→「編集」→末尾に「;c:\PHP5.5;」を追加します。→「OK」→「OK」→「OK」をクリックします。
PHPをApacheに設定する
httpd.confをテキストエディタで開き、以下の文字列を追加します。
LoadModule php5_module “c:/PHP5.5/php5apache2_4.dll”
AddHandler application/x-httpd-php .php
PHPIniDir “C:/PHP5.5”
Perlのインストール
実はPerlはWordPressを使うだけならば不要なので飛ばしても構いません。CGIをローカルで実行して確認したい場合にはインストールします。
「Active State」にアクセスします。「Active Perl」から「Download Now」をクリックします。
「Download ActivePerl 5.22.1 for Windows (64-bit, x64)」をクリックします。画面が切り替わり自動的にダウンロードが表示されます。
ダウンロードした「ActivePerl-5.22.1.2201-MSWin32-x64-299574.msi」を実行するとインストールウィザードが起動します。
セットアップウィザードが起動したら「Next」をクリックします。
「License Agreement」が表示されたら「I accept the terms in the License Agreement」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。
Perlをインストールするフォルダを指定します。デフォルトでは「c:\Perl64」となっていますが、「c:\Perl」に変更しています。「Next」をクリックします。
「Add Perl to the PATH environment variable」と「Create Perl file extension association」にチェックが入っていることを確認して「Next」をクリックします。
「Ready to Install」が表示されたら「Install」をクリックします。
インストールが終わると「Completing the ActivePerl x.xx.x Build xxxx (64-bit) Setup Wizard」と表示されます。「Finish」をクリックします。
MySQLのインストール
「MySQL」にアクセスします。
「Downloads」をクリックします。
「MySQL Community Edition(GPL)」から「Community (GPL) Downloads」をクリックします。
「MySQL Community Server (GPL)」から「DOWNLOAD」をクリックします。
「Windows (x86, 32-bit), My SQL Installer MSI」の「Download」をクリックします。
「Windows (x86, 32-bit), MSI Installer」の「(mysql-installer-community-5.7.10.0.msi)」と書いてある方(ダウンロードサイズが大きいもの)の「Download」をクリックします。
サインアップを求められますが、「No thanks, just start my download.」をクリックすれば、登録せずにダウンロードできます。
ダウンロードした「mysql-installer-community-5.7.10.0.msi」を実行するとインストールウィザードが起動します。
「Choosing a Setup Type」では「Custom」を選択し「Next」をクリックします。
「Select Products and Features」では「MySQL Server」と「Development Components」にチェックが入っていることを確認して「Next」をクリックします。
「Installation」で「MySQL Server 5.7.10」が「Ready to Install」と表示されているのを確認して「Execute」をクリックします。
インストールが終わると、以下のように「Status」が「Complete」にかわります。「Next」をクリックします。
MySQLの設定
「Type and Networking」が表示されたら、「Config Type」を「Development Machine」にして、「TCP/IP」にチェックが入っていることを確認します。
「Port Number」は「3306」、「Open Firewall port for network access」にチェックが入っていることを確認します。
「Show Advanced Options」にチェックを入れ「Next」をクリックします。
「Accounts and Roles」では、MySQLにログインするためのルート権限のパスワードを入力します。ルート権限とは管理者(administrator)のようなものです。
ローカルなので、他のユーザーは追加しません。「Next」をクリックします。
「Windows Service」では、「Configure MySQL Server as a Windows Service」にチェックを入れます。
「Windows Service Name」は「MySQL57」とします(任意)。
「Start the MySQL Server at System Startup」にチェック入れます。これでコンピューターの起動時にMySQLも起動するようになります。
「Run Windows Service as …」では「Standard System Account」を選択します。「Next」をクリックします。
「Advanced Options」では、各種のログの設定をします。エラー出力やクエリのログを出力する先を任意に指定します。「Next」をクリックします。
「Apply Server Configuration」が表示されたら「Execute」をクリックします。
すべて設定が成功すると、チェックマークが入ります。「Finish」をクリックします。
「Product Configuration」の画面に戻ります。「Status」が「Configuration Complete」になっています。「Next」をクリックします。
「Intallation Complete」が表示されたらインストールと設定が完了です。「Finish」をクリックします。
phpMyAdminのインストール
「phpMyAdmin」にアクセスします。「Download 4.5.3.1」をクリックします。
ダウンロードした「phpMyAdmin-4.5.3.1-all-languages.zip」を解凍し、フォルダ名をphpMyAdminに変更します。
phpMyAdminフォルダを、Apacheのルートディレクトリに移動します。
WordPress用のデータベースをつくる
「http://localhost/phpMyAdmin/」でアクセスし、MySQLのルート権限でログインします。
「データベース」をクリックし、「データベースを作成する」の欄に適当なデータベース名を入力し、文字コードを「utf8_general_ci」を選んで「作成」をクリックします。
WordPressをインストールするためにphpMyAdminを使う機会はこのときしかありませんが、phpMyAdminはMySQLをGULで操作するのに役立つので入れておきましょう。
ここでは、データベースの作成のみで構いません。WordPressインストール時に、テーブルなどはウィザードに従っていれば作成されます。
WordPressのインストール
「WORDPRESS.ORG 日本語」にアクセスします。「WordPress 4.4.1をダウンロード」をクリックします。
ダウンロードした「wordpress-4.4.1-ja.zip」をダブルクリックして解凍します。
解凍されたwordpressというフォルダをlocalhostのドキュメントルートに移動します。
ブラウザに「http://localhost/wordpress/」と入力してアクセスするとインストールウィザードが起動します。
「さあ、はじめましょう!」をクリックします。
以下のように設定します。
データベース名:MySQLで作成したDB名。
ユーザー名:MySQLのユーザー名(root)
パスワード:MySQLのパスワード
データベースのホスト名:localhost
テーブル接頭辞:適当な名前
「送信」をクリックします。
「インストール実行」をクリックします。
以下のように指定します。
サイトのタイトル:任意のタイトル名
ユーザー名:任意のユーザー名
パスワード:任意のパスワード
パスワード確認:脆弱なパスワードの場合は「脆弱なパスワードの使用を確認」にチェック。
メールアドレス:
検索エンジンでの表示:ローカルなので関係ない。
「WordPressをインストール」をクリック。
インストール完了画面が表示されます。
「ログイン」をクリックします。
ログイン画面が表示されました。ログインして記事を投稿しましょう。
関連記事