野菜につく害虫、ハダニ対策
今年の6月からはじめたきゅうり栽培ですが、途中までは順調にきゅうりがなっていたにも関わらず、2つあるうちのプランターの一つが、急に、実がついても途中で枯れてしまうことが多くなり、全然収穫できなくなりました。葉も殆どが黄色く枯れてしまっています。
おかしいなと思い、葉をよくみてみると、葉の裏側に赤い小さな斑点が幾つもあるのを確認しました。さらによく見てみると、その斑点が動いていたのです。恐れていた害虫です。殆どの葉にびっしりとついており、中には蜘蛛の巣のように糸が張られている葉もありました。
もともと虫は大嫌いなので、まよわず虫にやられている葉は、はさみで切りました。すると、殆どの葉がやられているので、禿山状態になってしまいました。さすがにこれはやりすぎた、もうこのきゅうりは復活できないかもしれない…と反省をし、もう一つのプランターを見てみると、こちらも同様にやられかかっていました。枯れてしまった葉は切り落とすことにして、枯れていない葉についてはそのままにして、対策を練ることにしました。
敵を知る
まず葉にびっしりとついている赤い斑点状の虫の正体を知らなければ、対策の打ちようがありません。最初はアブラムシだと思っていたのですが、糸を張るとは聞いていないし…?と思いネットで調べてみると、「ハダニ」という蜘蛛の仲間であることがわかりました。だから糸を張っていたのです。
ハダニの特徴
ハダニ対策
ハダニが出てきてしまったら、それを駆逐するためには4つの方法があります。
- ハダニを直にとる
- 葉に農薬をまく
- 葉に天然由来の農薬をまく
- 天敵をおく
1.ハダニを直にとる
葉の裏についているハダニを直に取り除く方法です。
ハダニは水に弱い性質があるので、葉の裏に水をかけてハダニを落とします。しかし、霧吹きで葉に噴霧しても、あまりとれている感じがしません。もっと強い水圧ではないとダメなのかもしれませんが、あまり強いと葉にダメージを与えてしまいかねません。また、ハダニのライフサイクルは短く、1日程度で死んで、卵がかえるそうです。つまり、ハダニが沢山いる葉には、卵もまた沢山産みつけられているということです。水で成虫を取り除けたとしても卵が翌日にはかえってしまうので、毎日または半日に1回は水をかけなければならないことになります。ただ、水をかけすぎると今度はうどんこ病などの他の病気になる可能性があり、注意が必要です。
水のほかには、粘着力の弱いセロハンテープなどを使い、直接葉に押し当ててとる方法があります。こちらは目に見えてとれるので、効果はあると思いますが、すべての葉でやらなければならないので、葉が生い茂っている場合には、かなりの労力を要します。また、粘着力によっては葉がやぶけてしまうこともあります。
2.葉に農薬をまく
即効性があり効き目も十分ある方法が、農薬をまく方法です。殺虫効果のある化学薬品なので、すぐに効きます。ただこのような農薬は摂取しすぎると、人体にも有害な成分が含まれているため、年に1度だけ、というような制約がついています。
1度まいたら、そのシーズンは虫がつかなかったというような事例もあるようですので、無農薬にこだわっていないのであれば、強力な助けとなるでしょう。
以下は、ハダニ類に効く代表的な農薬です。これ以外にもあるので、特徴などを調べて、よさそうなものを選ぶといいでしょう。
- ダニ太郎
- マラソン乳剤
- テルスタースプレー
- GFモストップジンスプレー
- コロマイト乳剤
3.葉に天然由来の農薬をまく
農薬をまくのが嫌な場合には、天然由来成分でできている農薬を使いましょう。これは水あめやでんぷんといった、天然の成分をつかったもので、化学薬品が使われていないため、人体にも影響はありません。
使い方は、薬剤を薄めて霧吹きで噴霧するだけです。ねばねばした成分がハダニの気管をつまらせて、薬剤が乾くまでの20~30分程度で窒息させます。これらの農薬は、物理的に殺傷するので、直接ハダニにかからないと効果がありません。ハダニが死んでも葉の裏にくっついたままになることも多いので、20~30分後に乾燥していたら手で払い落としましょう。
野菜にまいたら黒く枯れてしまったという報告もあるようです。薬剤の使用は説明書通りにして、まくときはピンポイントで虫のいる部分にかけ、使用後は払い落とすといった手間をかける必要がありそうです。
なお、天然由来なので、何回でも使うことができるのは利点と言えます。
以下は代表的な天然由来の農薬です。
- 粘着くん
- ベニカマイルドスプレー
- アーリーセーフ
- マシン油
また、天然由来の農薬として、自分で作る、という方法もあります。これは虫が嫌いそうな刺激物の食品を混ぜて作るもので、テレビで紹介されているものです。具体的には以下の材料を混ぜます。
- よもぎ
- しょうが
- とうがらし
- コーヒー殻
- お酢
- 焼酎
- にんにく
- にら
- お茶殻
- 牛乳
固形のものはすり潰し、すべて混ぜて30~40分ほど煮ます。その後、冷ましてから噴霧器に入れて散布します。
ここまで材料をそろえるのが大変という場合には、しょうが、とうがらし、にんにく、お酢程度でもいいかもしれません。
4.天敵をおく
ハダニの天敵をおいて、ハダニを食べさせてしまう方法です。ハダニの天敵としては以下のような昆虫がいます。
- ケシハネカクシ
- ハダニアザミウマ
- キアシクロヒメテントウムシ
- ミヤコカブリダニ
- ケナガカブリダニ
- カメムシ
- カゲロウ
- ハエ
このほか、ハダニが弱いものとして、水(雨)、カビなどがあります。
実践編
では敵を知ったので、早速殺虫を行おうと考え、「粘着くん」という農薬を購入しました。しかし、その後、ネットで「黒くなって枯れてしまった」という報告があったため、他に自作の農薬を作ることにしました。先にあげた材料をすべて集めるのは面倒なので、とうがらし、にんにく、しょうがをお酢につけたものを水で薄めて噴霧してみました。
その後、特に酷いものには粘着くんも噴霧してみました。
その結果、30分後位に、シソの葉は真っ黒になり、翌日から枯れてしまいました。これがネットで言われていた現象か、と思いました。粘着くんは、ベトベトした液体をハダニに振り掛けることで窒息させるものです。ですから、噴霧したままにしておくと、葉も呼吸ができなくなってしまうのかもしれません。まいてしばらくしたらすぐに除去しなければならないのだとしたら、あまりいい農薬とはいえません。
結局、きゅうりの葉にも同様に、自作の農薬と粘着くんをまいたので、どちらの影響かわかりませんが、葉は薄くなったり黄色く枯れてしまったりして、確かにハダニも減りましたが、それ以上にダメージが大きかったように思います。
これできゅうりが全滅してしまったら、今回は勉強になったとしか言えません。来年にはこのようなことがないように、害虫には気を付けた上で、自作の農薬など、あまり害のなさそうな防除法を模索していくとともに、ここに記録したいと思います。
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