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プランターできゅうりをつくる!

以前から、野菜などの食べられるものをプランターで自家栽培したいと考えていましたが、パセリやバジルなど、水をやっているだけで収拾がつかなくなるほど採れる、と言われている野菜ですら枯らせてしまっていた私が、プランターできゅうりをつくり収穫するまでを記録しました。

バジルが枯れた理由

まず、以前バジルを栽培しようとして枯らせてしまっていた理由がわかったので、それを記載します。具体的には以下の2つが、うまく育てられなかった理由です。

  1. 育てる鉢が小さすぎる
  2. 熱対策をしていない

1.育てる鉢が小さすぎる

バジルを購入する場合、花屋にいって苗を買っていました。普通は苗を買ったら、すぐに大きめの鉢に植え替えます。しかし、わたしはそのままの状態で育てていました。また、鉢を植え替えた場合もありましたが、殆ど買った時とかわらない大きさの鉢でした。
植物は、根をどれだけはれるかがその成長に大きくかかわってきます。根は土の中なので見ることはできないのですが、鉢が大きくて深いほど広範囲に根を張り、水分を吸収して成長します。
購入した状態の苗は、育苗ポットなどで種を育ててある程度大きくなり、移し変えるのにちょうどいい大きさになっています。つまり、既にそのサイズの鉢では成長しきっていて、これ以上大きく育つためには、もっと広いフィールドを必要としている状態になっているということです。ですから、買ってきたら大きな鉢に植え替えてあげる必要があるのです。

また、植え替えるときに土も必要になります。この土も、庭の土を足しても、あまり養分が含まれていないので成長してくれません。成長をさせるには、培養土などの植物栽培用の土を購入するか、堆肥や肥料などを普通の土に混ぜるかしないといけません。堆肥などを混ぜる方法は、初心者には難しいかもしれないので、普通に野菜用の培養土をホームセンターやインターネットで購入することをお奨めします。

2.熱対策をしていない

そして、もう一つの問題が熱対策です。ベランダで植物を栽培しようとして枯らせてしまう最大の原因は、土に熱がこもってしまうことです。実際、熱対策をしただけで、バジルを育てて収穫することに成功しました。
普通にベランダに鉢を置いてしまうと、ベランダ自体に日光があたることで熱を持ち、その熱気が鉢底から土に伝わり、その熱が原因で根を腐らせたり枯らせてしまいます。熱対策には、ベランダと鉢が直接触れないように、何かを下に敷いて少し浮かせるとよくなります。また、大きめの空の鉢の中に鉢を入れる、というような二重構造にしてもいいです。

食べられる野菜の栽培に挑戦!

このような経緯を経て、何とかバジルは育てることができました。次に興味を持つのはもっと日常的な野菜の栽培です。まず失敗をしないために栽培に関する本を購入しました。NHK趣味の園芸「やさいの時間」という番組から生まれた本、「有機栽培もOK!プランター菜園のすべて(木村正典著)」がそれです。
この本は、トマトやきゅうり、ナスといった定番の野菜から、稲まで、プランターで育てる方法を丁寧に説明しており、栽培に必要な道具や各野菜の栽培に関する特徴や注意事項など丁寧に解説しており、お奨めです。

この本を元に、最初はきゅうりかプチトマトあたりかなと考え、近所の種苗店できゅうりの種を、インターネットでプチトマトの種を購入しました。

品種ごとの特徴を考えて購入しよう

さて、きゅうり一つとっても、様々な品種があります。きゅうりの場合には実の付き方が品種によって異なり、プランタ栽培に適した品種を購入すると栽培が楽になります。
きゅうりは、以下4つの品種があります。

  1. 節なり性親づる型
  2. 節なり性親づる・子づる型
  3. 飛び節性親づる・子づる型
  4. 飛び節性子づる型

まず、「節なり性」とは、各節に実がなるものをいいます。「親づる型」とは、最初からある太い茎から葉が生えるものをいいます。「子づる型」とは、親づる以外に枝分かれするように別の茎ができていき、左右に広がっていくものを指します。「飛び節性」とは、親づるの節と、子づるの節と交互に実がなるものをいいます。
プランタ栽培の場合のお奨めとしては、先の本では「節なり性親づる型」が、横に広がらないのでよい、としていますが、うまくつるを誘導していければ、「節なり性親づる・子づる型」が最も収穫数が多くなり、いいのではないかと思います。

わたしが入った種苗店で買った種は「四川」というきゅうりでした。詳しくは書いていなかったのですが、「節なり性」とあったので購入しました。結果的には「節なり性親づる・子づる型」だったようです。

コスト:580円

道具をそろえよう

種以外にも、栽培するにあたって揃えなければならない道具があります。

  1. 育苗ポット
  2. 育苗トレー
  3. 移植ゴテ(シャベル)
  4. 霧吹き
  5. 支柱
  6. プランター
  7. 肥料
  8. はさみ
  9. 鉢底石
  10. じょうろ
  11. 麻ヒモ
  12. 支柱固定金具

1.育苗ポット

種から育てる場合には、最初からプランターに土を入れて種を植える方法もありますが、育苗ポットという小さくて柔らかい鉢に種を入れて、ある程度大きくなるまで育てる方法があります。育苗ポットの方が最初に使う土の量が少なかったり、雨や気温の変化が気になるときにすぐに動かすことができるという利点があったので、今回は育苗ポットを使うことにしました。
ホームセンターやインターネットで育苗ポットを買うことができますが、今回は、以前バジルの苗を購入したときの鉢、プリンの空き容器、500mlペットボトルの空き容器を使いました。
プリンの空き容器は底に穴をあけて排水ができるようにしました。また、ペットボトルはまず半分に切って、その後底に排水用の穴を2か所あけました。

プリンの空き容器とペットボトルは堅いので、苗をプランターに移植するときに、中身を取り出しにくく、あまりお勧めできませんが、やってやれないことはないです。

コスト:0円

2.育苗トレー

育苗ポットを幾つも使う場合には、一か所にまとめて入れておくことができるので、まとめて移動したり、虫よけのネットをかけておいたりする場合には、育苗トレーがあると便利です。今回はプチトマトを入れてもポットは7つしか使わなかったので、育苗トレーはなくても問題なかったと思います。
育苗トレーはインターネットで購入しました。

コスト:286円
育苗箱51型スミグレー×1 = 286円

3.移植ゴテ(シャベル)

小さいシャベルのことです。土をプランターに入れるときに使います。実際、なくてもできるかもしれませんが、あると便利です。また、シャベルの代わりになるものがあればそれでも構わないと思います。使う場面はプランターに培養土を入れるときだけでした。
移植ゴテはインターネットで購入しました。

コスト:350円
GARDEN FRIENDSステン共柄移植コテ補強付太×1 = 350円

4.霧吹き

育苗ポットで苗を育てる場合に、水やりに使います。まだ芽がでていなかったり、小さいときは、じょうろなどで水を勢いよくあげてしまうと、土が流れてしまい、芽がむきだしになってしまうことがあるので、霧吹きなどでやさしく水をやる必要があります。
霧吹きは100円ショップで売っていたのでそれを購入しました。

コスト:108円

5.支柱

支柱は苗がある程度育ってきたら倒れないようにしたり、つるをまきつけさせるために使います。木の枝でちょうどいいものがあれば代用できるかもしれませんが、100円ショップに売っていたので、それを購入しました。

コスト:972円
太さ11mm/高さ180cm×2 = 216円
太さ11mm/高さ200cm×2 = 216円
太さ7mm/高さ75cm×2 = 216円
太さ5mm/高さ75cm(3本入り)×3 = 324円

6.プランター

プランターはもらったものがあったので、当初はそれだけでやるつもりでしたが、苗を沢山つくってしまったため、その後きゅうり用には1つ追加購入しました。
また、もらい物のプランターは深さが20cm程度と、浅目だったので、追加購入したものは深さ32cmのものにしました。

コスト:1306円
グリーンパル深型菜園プランター650mmブラウン×1 = 1306円

7.土

培養土は重いのでインターネットで購入しました。最初は定評のあるハイポネックスの「花と野菜の培養土」(14リットル)を購入していたのですが、量が少ないので、3袋ハイポネックスを購入した後は、「瀬戸ヶ原花苑 果樹や庭木の培養土」(40リットル)を購入しました。土によって質が異なり、ハイポネックスは割と重めのしっかりした土で、瀬戸ヶ原花苑はふかふかの土でした。どちらが良い、悪いという印象はなく、どちらも問題なく生育しています。

コスト:3098円
ハイポネックス 野菜の培養土(14リットル)×3 = 1656円
瀬戸ヶ原花苑 果樹や庭木の培養土(40リットル)×1 = 1442円

8.肥料

培養土には肥料が配合されているので、しばらくの間は追肥をする必要がありません。しかし、いずれは土に養分がなくなってしまい、生育が悪くなってしまいます。そうならないように、ある程度の期間を過ぎたら肥料を土に与えます。きゅうりの場合には、通常の野菜用、という肥料を購入すればまず問題ありません。

コスト:695円
瀬戸ヶ原花苑 〈無臭なので室内でもOK〉ガーデンマスター置くだけ肥料 500g×1 = 695円

9.網

きゅうりはつるを張る野菜です。網(ネット)を広げておくと、そこにつるが絡み、自然と葉が広がります。また、あらぬ方向に伸びている場合には、麻ヒモを使ってネットに固定させることもできます。
わたしの場合、網はもらったプランターについていたのでコストはかかりませんでしたが、100円ショップでも購入できます。

コスト:0円

10.はさみ

麻ヒモを切ったり、きゅうりを収穫したりするときに使います。キッチンばさみで問題ありません。収穫時にばい菌がつく可能性もあるので煮沸消毒しておくといいでしょう。

コスト:0円

11.鉢底石

通常、プランターには直接土をいれません。全部土を入れてしまうと水はけが悪くなり、土が熱を持ってしまったり湿度が高くなったりして、根腐れを起こす原因になるからです。そのため、プランターの底には鉢底石という石を敷き詰めて、水はけを良くします。
わたしの場合、鉢底石ももらったプランターについていたので、それを流用しました。

コスト:0円

12.じょうろ

水をあげるために必要な道具です。わたしはわざわざ買うのはもったいないと思い、ペットボトルに水を入れてあげました。じょうろの良い点は、水がどばどばと出ないことです。勢いよく大量の水を与えると、水が葉に跳ねて病気の原因になったり、土が大量の水で流されてしまったりします。ホースを使って直接水道からあげられるものもあります。
コストをかけたくなかったので、1リットルのペットボトルを2つ使っていますが、土が押し流されてしまうデメリットは感じています。ただペットボトルで水やりをすると、どのくらいの容量をあげたのかがわかるのはメリットだと思います。

コスト:0円

13.麻ヒモ

支柱と支柱を固定したり、茎と支柱を固定したりするときに使います。麻ヒモである必要はないのですが、100円ショップで7m位のものが売っているので手頃に手に入れられます。
麻ヒモで固定する場合には、そのまま支柱と茎を結んでしまうと茎が傷ついてしまうことがあるので、茎の周りをヒモで囲んだら支柱と絡める前に八の字にねじっておくと、少し空間ができるので、茎を傷めることがありません。

コスト:108円

14.支柱固定金具

支柱を倒れないように固定するための金具です。私が購入したものはグリーンパルというメーカーのプランター専用のものだったので、他のプランターでは使えません。このように他のオプションを選べるプランターを購入するのも一つの手です。
このような金具がない場合には、支柱を横に通して縦の支柱としっかりと固定させたり、合従式に合わせたりするのが一般的です。この他にも土に支柱を固定させる丸い金具などもありました。

コスト:1320円
グリーンパル菜園プランター用支柱立て金具×1 = 1320円

総コストは幾らか?

総コスト:8823円

こうして考えると一番お金がかかったのは培養土です。これはインターネット通販で購入したことが原因です。ホームセンターなどに行くとインターネット通販とは比べ物にならないほど低価格で入手できます。ただそういった激安の土は品質が悪いものもあるようで、すぐに固くなってしまったり水はけの悪いものが混じっていたりするようです。最初ということもあり、失敗したくないと思ってインターネットで評価の悪くないものを購入しましたが、その分高くついてしまったようです。
人に聞いた話によると、ホームセンターで20リットル位で300~500円程度で売られているものならばそれほど間違いはないようです。また、不安であれば堆肥や肥料を混ぜて使うといいでしょう。
なお、堆肥には完熟のものと未熟のものがあり、安いものは熟していないので臭いがきついものがあるようです。その場合は完熟するまで袋から外に出しておくのがよいようです。

種から育てよう

さて、それでは実際に育てた記録を書いていきます。

実は野菜を育てる場合は、初心者は苗を購入して育てるのが一般的のようです。私も最初は苗を探したのですが、近所のホームセンターには苗はプチトマトしかなく、それもあまり発育がよくないように思えたので、あえて種から栽培することにしました。
先の本でも種から栽培することを推奨していることもあり、そんなに難しいことではないのかなという気持ちもありました。

私が購入したのはきゅうりの種とプチトマトの種ですが、プチトマトはまだ収穫できていないこともあり、今回はきゅうりについて書いていきます。

実は種から育てる場合には、種用の培養土があります。これは普通の培養土よりも細かく砕いてあり、種が育ちやすいようにしてあるものです。今回はきゅうりの種は4つだけ育てるつもりだったので、種専用の土を購入してもかなり余ってしまうと思ったので、普通の培養土をそのまま使いました。普通の培養土を使う場合には手で軽く砕いてから使うとよいようですが、あまり気にせずそのまま育苗ポットに土を入れました。
育苗ポットの上から1~2cmほどのところまで土を入れて、中央に指でくぼみを作り、そこにきゅうりの種を1つ落とします。その後、土を軽くかぶせて水を育苗ポットにたまる位与えます。
※本来は種は複数入れて芽が出て育ってきたら発育のいいもの以外は引き抜いて、間引きをするのですが、もったいない気がしたので、芽が出てきたものはすべて育てようという貧乏根性で、1つのポットには1つしか種を入れませんでした。

その結果、全部の種が芽を出しました。早いものでは種を植えて3日後には芽を出しました(種を植えたのは2015-6-14です)。

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(分かり辛いですが中央から芽が出ています。2015-6-17)

その1日後にはしっかりとした双葉になっていました。

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(各苗から立派な双葉が生えてきました。2015-6-18)

数日たつとその双葉がしっかりとした大きさになりました。

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(双葉がないものはプチトマトです。2015-6-21)

双葉がある程度大きく育つと、次に本葉が生えてきます。双葉はつるっとした丸い葉ですが、本葉はぎざぎざの葉です。

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(4つの苗から本葉が生えてきました。2015-6-24)

更に育てていくと本葉が伸びて、ぐんぐん大きくなっていきます。こうして20~30cm程度の高さになったら、プランターに移植します。ちなみにこの間、肥料は与えていません。野菜用と書かれている培養土には、予め成長に必要な成分が配合されていることが多く、そのために追肥を行う必要はこの時点ではありません。

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(この程度になったらプランターへの移植を検討します。2015-6-27)

プランターに移植しよう

20~30cmになったので、早速プランターに移植することにしました。しかし、この時点では土のストックがあまりなかったので、4つの苗のうち特に発育の良い2つを選んで、深さが浅いプランターに移すことにしました。といっても土が少なかったので最初はプランターの半分までしか土を入れることができず、1つしか移植できませんでした。

後日土を追加購入して、もう1つの苗も移植しました。

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(深さ20cm程度のプランターに移植。2015-6-30)

さらにプランターと培養土を追加購入して、残りの苗も移植しました。

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(遅ればせながら残りの苗を移植。2015-7-6)

あとは3日に一度、水をたっぷりと与えるだけです。与える水の量は、一つの苗につき約2リットルです。なるべく土が流されないように水を与えました。水をたっぷりやると鉢の底から水が流れ出てきますが、その状態でいいということでした。水は土が乾くタイミングで、与えるときはたっぷりと与える、というのが鉄則のようです。

最初は75cm程度の細い支柱を、株から1cm程度のところに立てて、株が倒れないようにしました。

やがて背丈が伸びてきたので、太い支柱(高さ180cm)をプランターの両端のなるべく淵に近いところに立て、さらに支柱と支柱を結ぶように横に75cmの細い支柱をわたして麻ヒモで結びました。しかし、このとき雨風でかなり支柱がぐらついたので、倒れてしまわないように、ベランダの手すりに支柱を結びつけました(後から考えるとこの行為は間違っていました)。

縦に立てた2本の支柱に、きゅうりようの網(ネット)を麻ヒモで結びつけておくと、数日後に株からつるが伸びてきました。そのつるが支柱や網に絡まるように、茎と支柱を麻ヒモで結びました。

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(ベランダの手すりに支柱を固定。2015-7-13)

あとは水を与えていたら、4つの株ともぐんぐんと伸びていきました。

ある日、3番目に植えた株に花が咲いているのを確認しました。しかし、花が咲いただけではまだ実はなりません。後述しますが、これは雄花だからです。雄花は花粉を出すおしべしかついていない花で、雄花だけでは実はなりません。雄花は花が咲くだけですが、雌花はきゅうりの実の原型の先に咲きます。ある程度きゅうりが成長すると自然と雌花が咲きはじめます。だから焦らず土が乾いたら水をあげる、ということを繰り返しているうちに実がなりました。

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(花が咲きました。これは雄花です。2015-7-19)

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(念願の実がなりました。2015-7-22)

一番果ができたら小さいうちに収穫しよう

最初の実(一番果といいます)は15cm位の長さになったら収穫するのが良いと本にありました。なぜかといえば、最初から20cmレベルのしっかりとしたサイズになるまで育て上げると、株が疲れてしまい、その後の実の付きが悪くなるから、ということでした。

そこで各株の一番果はまだ小さいうちに、それぞれ収穫しました。小さいとはいえ、味はきゅうりそのものなので、サラダにして食べることができます。

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(左下の実は大分大きくなってきました。もう少し大きくなったらとります。2015-7-26)

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(15~20cmになったので収穫。味は普通のきゅうりでした。2015-7-27)

面白いようにきゅうりがなる!

その後は、各株からきゅうりがとれるようになりました。株によって育ちの良し悪しがあり、最初は3日に1~2本というペースでしたが、やがて1~2日に2本というペースになり、一日一本消費することができるようになりました。ご近所さんにあげることもできるようになり、自分でつくったものを食べたり人にあげたりするのが楽しくなりました。

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(大きさの比較。中央が一番果で、上が成熟させたきゅうりです。2015-7-30)

というわけで、種から育てて大体1か月半で収穫できました。きゅうりは野菜の中でも収穫できるようになるのが早いものなので、結果がでやすくお奨めです。

きゅうりの栽培中にあったトラブルや疑問

  1. きゅうりの葉が病気にかかった?
  2. 花は咲くけど実がつかない
  3. 支柱の立て方を考えないと枯れる原因になる
  4. 支柱が風でぐらつかないようにする
  5. きゅうりの色が薄い
  6. 土が減る
  7. きのこが生える
  8. 肥料はいつ、どの程度与えるか
  9. 元はとれるのか

1.きゅうりの葉が病気にかかった?

まだつるを張って大きくなる前なのに、最初の本葉に黄色い斑点ができました。これはうどんこ病という病気のようで、酷くなると光合成ができなくなるので、他の葉に病気が移る前に切ってしまった方がいいようです。
私の場合は、まだ葉が少ない状態だったので、ギリギリまで光合成させた方がいいかな、という考えと、知人がきゅうりは病気になりやすい野菜だけど、病気になったところで実には影響はない、と言っていたので、しばらくはそのまま育てました。
やがて大きく成長して黄色く枯れてきた下の方の葉は、全部取り除きました。

2.花は咲くけど実がつかない

きゅうりの花は咲くけど、そのあと花が落ちて実にならなかったり、きゅうりのミニチュアが花の後ろについているけれど、そのまま枯れてしまうことはよくあります。
きゅうりの花には、雄花と雌花があり、雄花からは花粉がでますが、実はなりません。実になるのは雌花です。一本の株で雄花と雌花が別々に咲く植物を、雌雄異花といいます。
また、きゅうりは雄花が受粉しなくても実になることができます。これを単為結果性といいます。受粉することにより種がつきます。

きゅうりのミニチュアはできるけど、茶色く枯れてしまう場合には、日照り不足や水分や栄養不足が考えられます。ベランダで育てる場合には、どうしても日当たりは悪くなりがちですので、できるだけ日当たりのよい場所においてください。また、肥料は2週間に1度を目安に与え、水は2~3日に一度、1株につき2リットル程度、たっぷりと与えます。プランター栽培の場合は、乾燥しやすいので、土が乾いているようであれば、きゅうりの実がなるくらいまで成長したら、1~2日置きに水を与えてもいいです。
雌花は100%に近い割合で実になるので、実が枯れてしまう原因として、花が多すぎることも考えられます。栄養分や水分が十分にいきわたらずに枯れてしまうということです。試しに間引いてみてもいいでしょう。
また、ベランダではエアコンの室外機のそばに置くのも枯れる原因になります。室外機からは常に暖かい風が吹いているので、その風が株にあたっていると、その部分は乾燥しやすくなり、弱ってしまいます。プランターは室外機からはなるべく離して設置しましょう。

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(枯れてしまったきゅうりの実。2015-8-4)

3.支柱の立て方を考えないと枯れる原因になる

わたしは、支柱を立てた時に、不安定なのでベランダの手すりに結びつけてしまいました。しかし、これがきゅうりを弱らせる一因になってしまいました。
ベランダの手すりに支柱を結びつけると、成長していった株はやがて手すりに到達します。しかし、夏の暑い日照りで手すりは、実際の気温よりも高温になってしまいます。そこにきゅうりのつるや葉が触れていたら、暑すぎて枯れてしまいます。
新しい葉が枯れてしまったのを見て、手すりから支柱をはずして、ベランダの少し後方にずらしました。枯れた部分は取り除いたら、しばらくして順調に育つようになりました。
最初にぐらついていた支柱も、水やりを重ねることで土の密度が高くなり、しっかりと固定されていきました。

4.支柱が風でぐらつかないようにする

6~9月というのは、雨や台風で強風が吹き、支柱がぐらつきやすくなる季節でもあります。最もいいのは、風が強い日は室内に入れることですが、背の高い支柱を立てているきゅうりを室内に運ぶのは不可能といってもいいでしょう。
支柱を倒れないようにするための道具があるので、そういったものを使います。わたしが使っている支柱を固定する金具は、プランターのメーカーが作っているものなので万能ではなく、特定のメーカーのプランターにしかつけられないものですが、安定はします。金具は金属製のプレートでプランターの淵に固定させることができます。プレートには穴が開いており、そこに支柱を通します。支柱が穴よりも小さいので多少はぐらつきますが、倒壊することはありません。
注意点としては、この固定金具は支柱を土に通す前に設置しておく必要があります。

5.きゅうりの色が薄い

立派なきゅうりが収穫できても、色が薄い場合があります。これは日照りが影響している場合があります。曇りや雨の日が続いてしまうと薄い実になりがちです。また、栄養分が少ないことも考えられます。追肥を2週間に1度の割合で与えましょう。
その他、きゅうりは暑さや雨から実を守るために、ブルームという白い粉を出すことがあります。ブルームは見た目が農薬のように見えて評判がよくないので、ブルームレスという品種もつくられています。

6.土が減る

水を一度に大量に勢いよく与えると、プランターの中で土が移動したり、土の密度が高くなって、結果として目減りしたように見えたり、プランターの底から少しずつ土が流れ出ていったりして、土が減っていきます。
土が減っていくと表面に根が見えてきてしまうことがあります。また、土が減ってはいないけれども、根が十分にいきわたり、行き場がなくなって上にでてきてしまうこともあります。これは根を枯らせる原因にもなるので、上から培養土を追加して根が隠れるようにします。

7.きのこが生える

きゅうりを栽培していて、片方のプランターからきのこが生えているのを見つけました。きのこの種類にもよるのですが、わたしのプランターに生えたきのこは害はない種類のようなので、生えて来たら気持ちが悪いので引き抜いています。しかし、そもそもきのこは菌類が実体化したものなので、土中には本体ともいえる菌が沢山生息しています。そのため、菌を完全に取り除くことは不可能といえます。また、培養土にそのような菌類が含まれていることはよくあります。
きのこが生えてくる原因は、水はけが悪く湿度が高いので、きのこが実体化する環境が整ってしまったことが考えられます。日照りがよく土が乾燥するようになれば生えてこなくなるはずです。
また、きのこは胞子を放出するので、それが隣のプランターに飛散してきのこが生えてきてしまうことは考えられるので、それが嫌であれば、見つけたら引き抜いた方がいいかもしれません。

8.肥料はいつ、どの程度与えるか

今回使った培養土には、予め植物を育てるのに適した栄養分が配合されていました。そのため、何もせずにしばらくは水やりだけで育ちます。しかし、やがて栄養分を吸収しつくしてしまうと生育が悪くなってきます。それを避けるために、肥料を与えます。肥料を与えることを追肥といいます。
植物に必要な栄養として、基本的には窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の3種類があります。
窒素は、葉や茎を成長させる効果があります。リン酸は花や実をつけるために必要とされます。カリは根が大きくなるために必要です。多くの市販されている肥料には、このNPKが配合された複合肥料と、どれか一種類のみで構成されている単一肥料があります。
複合肥料は、NPKの割合が書かれています。目安としては、葉を食べる野菜はNが、実を食べる野菜はPが、根を食べる野菜はKが多いものを選ぶといいといえます。ただ、たいていの野菜類は、「どれにでも使える」などと書かれている肥料を与えても構わないと思います。
肥料は大体2週間に1度の割合で、1回につき1つの株に対して10g程度与えます。なるべく株元から離れた場所にまき、1cm程度土の中に埋めます。中には置くだけでいいと書かれているような肥料もあるので、説明書に従ってください。

9.元はとれるのか

食べられるものを育てるからには、家計の足しにしたいと考える人もいるでしょう。かくいう私もそうです。
今回、プランターや支柱、培養土などの初期費用を考えると、総コストは9000円弱になりました。
ということは、きゅうりが一本60円と考えて計算するならば、150本程度はとれなければ元が取れない計算になります。これに水道代なども勘案するとなると、200本は取れないと食費が浮いたことにはならないかもしれませんが、一つの苗からとれるのは最大30本程度ということなので、4本×30本=120本が目安となります。つまり初期投資では元は取れないということです。
ですから、家庭菜園をやるのであれば、毎年継続していかないと損をしてしまいます。もちろん趣味だから元はとらなくてもいいという考えもありますが、家計の足しにしたいと考えてやるのであれば、初年度はマイナスを覚悟して、次年度からは培養土と肥料の購入費だけで済むようになるので、そこから元がとれるようになると考えましょう。

なお、翌年、同じ土に同じ野菜を植えると、うまく育たないので、きゅうりを植えたプランターにはトマトやナスなどの別の野菜を植え、トマトを植えたプランターできゅうりを育てる、というように、ローテーションをさせる必要があることにも注意しましょう。

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