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ワンダー:R・J・パラシオ

初夏に本屋に行くと、若年層のコーナーには、夏休みの読書感想文用に推薦図書が並びます。
ワンダーはその中に、5・6年生用ということで置かれていました。
全く内容は知らなかったのですが、表紙が気になって少し読んでさらに気になったので購入しました。

この話は実話かと思ってしまいますが、創作です。
主人公はオーガスト・プルマンという小学5年生。
でも学校に行くのは5年生になってからが初めて。
生まれつき顔に問題を抱えており何度も手術を繰り返し、顔の造形が崩れてしまっている少年オギーを中心に、彼を取り巻く子供たちの視点でストーリーが進んでいきます。

オーガスト・プルマンは自分の顔に非常にコンプレックスを持っていて、人がチラっと自分の顔を見たときに、どういう気持ちで見ているのか悟ってしまいます。
そんなオギーが学校に入って、うまくやっていけるのでしょうか…?というストーリー。

周りにこんな子がいたらどうするか?という問いかけになる一冊でしょう。
残念ながら、はじめはどうしても好奇心や恐怖心の目を向けてしまうと思います。
10代のような多感な時期ではその反応は当然のものかもしれません。無理やりダメと押さえつけるのではなく、そこからどうするのかという行動が問われるのだと思います。
オギーは、中身は普通の少年、それどころか家族もみんなナイスガイばかり。
そんなオギーが学校に入ったことによって起こる、友達の裏切り、姉の葛藤、いじめっことの対決など、あるかもしれないという話が展開され、そして最後はサマーキャンプで事件発生!
どうなってしまうのでしょうか?

この話は映画化もされており、オギーが学校から帰ってくるときに友達になったジャックウィルと話しながら校門から出てくる姿を見た、母親役のジュリア・ロバーツの、驚きとともにうれしさが湧き上がってくる、「えっ!何!?友達…?まじで!?」みたいな感じの演技が素敵で、見ているこちらもうれしくなってしまう場面でした。
ワンダーにも続編があり、主役がオギーではないようですが、気になったので読むつもりです。

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